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笊ヶ岳 その2

9/18日7時に笊ヶ岳登山口 老平(オイダイラ)をスタート。
  老平-林道終点-広河原-山の神-檜横手-小ピーク-布引山にして布引山でテント張ることに。
9/19は布引山―笊ヶ岳-布引山のピストンで後は下山のみ。

林道を30分、ガレバの沢沿いを50分歩く。
8時半には広河原に着いてはいたが、台風一過で水量多く広河原の渡渉で手こずり,急斜面を山の神の下まで登る。山の神に着いたのが11時になった。
当初は笊ヶ岳でテントの予定だった。
渡渉の時軽く岩を飛び越えたが、ザックを残して飛び越えたため、受け取る時に川に落としてしまい拾うのに靴は濡れるしザックにも水が入り、頂上でわかるのだがダウンもぐっしょりだった。
道理で重いわけだ。

K氏は自分のペースで行くからと僕らを先に行かせた。その後S氏とも離れ一人頂上を目指す。
コースの標識もわずかで、今どのへんだか時間だけが頼り。

ひたすら登り、登り、登り、一部で富士山の雄姿が見えるが99.99%景色は樹林帯の尾根。
檜横手を過ぎ小ピーク先に出たのが17時ごろ。山の神から6時間だ。
長い。
S氏からちょうど電話が入り場所の確認と今日は間違いなく布引山でのテントに変更を確認。
スタートから10時間でやっと展望が開けたので少しは元気が出た。
がレ場を通過してハイマツをくぐり17時15分布引山に到着
景色は全く見えず。ただ木の間から掛け軸のように富士山が見える。

テント張って濡れたダウンやインナーにがっかりしてみんなの到着を待つ。
S氏がガレ場付近に悩みながら18時過ぎに到着。
K氏は登山歴は長いが、どうも自己流のようだ。
S氏と携帯でK氏の状況を把握するが一向に上がってこない。
いつものことらしいのが途中でビバークするというがそれは止めようと伝える。

コースタイムと自分の力量は計算済みと思っていたがやはり笊ヶ岳は長いらしい。
結局K氏は9時にテントに着いた。
僕は会話したが半分寝ていた。

どちらかのテントに入ることになっていたが、明け方目を覚ましたらマットなしで外でシュラフで寝ていた。
タフだなー。
たまたま夜は暖かいが、普通は底冷えして寒いはず。

いいタイミングで起きたのか、掛け軸みたいな木の間から御来光が出てきた。
富士山よりかなり左下から出てきた。
いい景色だ。

これなら360度の笊ヶ岳の眺めは期待できるはず。
ウイスキー片手に空荷でピストン。45分ぐらいで到着。
抜群の景色に感動。K氏も10分遅れでつく。S氏も途中着替えながら20分後に到着。
K氏が荒沢 赤石等の過去の踏破した話と山並みを教えてくれた。
笊ヶ岳は初めてである。

1時間ほど眺めて下山することにした。
9時過ぎに笊ヶ岳を出て布引山に戻りテントを回収して、10時50分に下山開始。
4時間目標で広河原に戻りみんなで渡渉することを確認してスタート。
来た道をひたすら戻るが、
水が500ぐらいしかない。みんな水が減っている。
K氏は4L近くを飲んでいる。道理で朝のコーヒー分もないわけだ。

昨日同様僕とS氏とK氏の順で下るが、前日のように別行動になる。
とりあえず広河原で水を飲みたいのと、川が渡れるかのことがいっぱいで遭難するとは思いもよらない。
どちらかというと広河原から登山口の方が危険かもしれない。

かなりきつい下りを3時間ほどで山の神に着いたが、昨日靴の中に水が入ってふやけた足が靴ずれして激痛なのと、タイツはかずに下った為モモがひきつってきた。

山の神からは35分だが細いツズラ降りの為踏み外すと滑落するので、できれば一気に気合で降りたい。
最後の一口の水を全部飲み広河原目指して降りる。

2時50分広河原に着いた。浴びるように水を飲み、作り置きのアルファ米で元気を補充。
立ち上がるとモモがひきつりよろける。
このままでは渡渉もままならないので早めに切り抜けたい。
気合を入れてはだしで一気にわたる。
昨日より幸い流れも落ち着き対岸に渡れた。後は2人を待つだけだ。

対岸で靴下をはき整理しているとS氏の大きな声がした。
3じ50分S氏が到着して4じ15分には渡渉して対岸でK氏待つことに。

しかし待てど暮らせど降りてこない。
広河原は圏外だ。
みんなdocomoだがスマホはつながりにくい。S氏とk氏はガラ系で電源もまだありかろうじてつながったがきれた。
(今どこ)のショートメールになかなか返信が来ない。ギリギリの圏外が通信をさえぎる。

18時になってしまった。このままではK氏はビバークがしなければ危険だ。
我々は圏外から移動して警察か本人と連絡するため下山した。途中7時に電波が通じるところで、K氏のショートメールを確認した。(山の神から20分。下り沢に出る。けがなし。脱出ルート教えてくれれば自力で脱出可)  (電源なし)
これと同じ内容を彼の姉にも連絡が入っていて。
このタイミングで警察に捜索願いを出す。
駐車場まで戻ると地元の警察官がいてパトカー先導で山梨県警南部警察署に向かう。

メールの内容とお姉さんへの連絡で無事であることと場所の確定が容易であることで、翌日のヘリと警察の捜査で発見は容易と思われた。

駐車場で夜を明かし翌日は5時から警察官4人とヘリが飛んだ。
ヘリは4回給油をして探したが、見つからない。

焦りが出てきた。幸い暖かく天気もいい。
翌日は消防団も参加した。消防団は身内からの依頼がないと動けない。
警察は3日間しか捜索しない。

メールの内容を頼りに動くが手掛かりなし。
捜索3日目の22日にでお姉さんが来た。
捜索打ち切りを承諾した。
23日はS氏と地元のA氏が有志で捜索した。
僕は2日目までは捜索に出たが足が激痛で動けない。
しかし4日目にしても見つからないので、この日は2人で帰宅した。
5日目の25日にはA氏と地元のW氏がまたも有志で捜索してくれた。それでも駄目だった。

最悪の場合でも出てほしい。
しかし、この状況では滝に滑落したか場所を動いているとしか考えられず、見捨てる感じだ。
あの時山の神で待ってればよかったのにと悔やんでならない。
団体行動と言われればそうかもしれない。

捜索してる夢を見たり釈然としない日々を過ごした29日、S氏からtelがあり(釣り人に保護された。)と連絡が入った。

実に10日ぶりだ。

生きててよかった。
よくものをなくすがこんな大きななくしものが出てきたのは人生初めてだ。
大殺界の運勢が少しいい方向に行っているのか
よかった。
早速9/30日に収容先の山梨中央病院に向かう。
彼は両手両足傷だらけであるが骨折などもなく至って元気である。
登山当日が初顔なのでK氏への記憶も多くないが確実に痩せている。

なんで迷ったかについては まだ落ち着きもなく話につながりもないが、遭難連絡場所にじっとしておらず動きまくったらしい。
更にはメールに記された位置より上の方から適当に道をショートカットしようとしたらしい。
迷うにして迷ったか。
いずれにしても詳しくはまだ不明だ。

でも出てきたからもういいや。なくなりそうになつた命大事にしてくれ。













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布引山
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廃屋
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吊り橋 怖い
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広河原
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山の神
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出た。
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布引山
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御来光
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笊ヶ岳
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待つこと3時間 広河原
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by akirahrk1962 | 2013-10-03 12:47 | 山登り
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